なぜARPUを離脱率で割るとLTVが求められるのか
LTV(Lifetime value: 顧客生涯価値)を売上ベースで計算する場合、計算式は以下のようになります1。
なるほど、と言いたいところですが、なんで離脱率で割ってるのか直感的にはわかりません。
ということで計算してみました。
計算
まず、1ユーザーではなくユーザー全体の総収益からユーザー全体のLTVを求めていきます。その際、ユーザー数は毎月一定の割合(離脱率)で減少すると仮定します。言い換えると、毎月一定の割合のユーザーが継続利用しているといえます。
継続率をr, 離脱率をcr3, ユーザー数をu, 継続率をrとすると、LTVはこんな感じで求まります。
LTV = u × ARPU + u × r × ARPU + u × r2 × ARPU + ... + u × rn × ARPU・・・①
※あえて等比数列の公式は使わずこのまま進めます。
両辺にrを掛けると、
r × LTV = u × r × ARPU + u × r2 × ARPU + ... + u × rn+1 × ARPU・・・②
ここで①-②して
(1 - r) × LTV = u × ARPU (1 - rn+1)
r < 1なのでrn+1は0に収束します。したがって、
(1 - r) × LTV = u × ARPU
LTV = (u × ARPU) / (1 - r)
最終的に求めたいのはユーザー一人あたりのLTVなのでuで割ると、
LTV = ARPU / (1 - r)
継続していない人=離脱した人なので、1 - r = crとなります。したがってLTVは、
LTV = ARPU / cr
ということで、ARPUを離脱率で割るとLTVが求められることがわかりました!冷静に計算すると結構簡単なことでしたね。
この記事が誰かのお役に立ったのであれば幸いです。